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2016年4月28日 (木)

追憶の森 ジャパン・プレミア

知らなかった妻の事

The_sea_of_trees

公式サイト http://tsuiokunomori.jp
4月29日公開

監督: ガス・ヴァン・サント  「ミルク」 「永遠の僕たち」 「プロミスト・ランド」

アメリカから富士山麓の青木ヶ原樹海にやってきたアーサー・ブレナン(マシュー・マコノヒー)の目的は、ここで自らの人生を終わらせる事だった。森の奥深くに分け入り、睡眠薬で自殺を図ろうとしていた彼の前に、傷だらけの体で森の出口を求めてさまよう、日本人男性(渡辺謙)が現れる。妻子のところへ戻るために助けを求める彼を放っておけず、アーサーは一緒に出口を探す。しかし一向に出口を見つけられず、森の中を彷徨い歩く2人に次々と試練が襲いかかる。アーサーはナカムラ・タクミと名乗るこの男性に次第に心を開いてゆき、自分がここへやって来た理由を語り始める。

渡辺謙さんの舞台挨拶付きの試写会。
入り口で、マスコミプレスをもらいました。
1800円の有料試写会だけど、TOHOシネマズのポイントもついたし、お得だったわ。
プレミアボックスシートは関係者席にしていたようで、その中に浅野忠信がいましたよ。

司会は伊藤さとりさん。
謙さんは舞台横の出入り口ではなく、観客が出入りする通路から登場しました。

ロサンゼルスで仕事があるために来日できないマシュー・マコノヒーからは、結構色々と話しているビデオメッセージがありました。
謙さんを色々といじって、とてもユーモラスなマシューでした。
これが見られたのも、お得よね。

さて映画ですが、映画の舞台は日本の青木ヶ原樹海。
始めに脚本ありきの作品だったそうです。
脚本を担当したクリス・スパーリングが、たまたまインターネットで青木ヶ原の事を知ったそうです。そこから物語を考えたらしい。

日本でも撮影していますが、大部分はボストンにある森での撮影だとか。
なので、日本ものではないものがないように、謙さんは小道具のチェックなどもしたそうです。

映画の始まりは、アメリカから片道切符で日本にやってくるアーサー。
樹海の奥に入って行き、岩に腰を下ろし、薬を飲み始める。

The_sea_of_trees_2

すると、ふらふらと歩いている男性を見つける。
近寄って行くと、傷だらけの体で、2日間出口を探しているという。
アーサーは彼に水を与え、コートを着せて出口の方向を指し示す。

The_sea_of_trees_3

しかし、なぜかその方向は行き止まりになっていた。

結局アーサーは、タクミと名乗るこの男とともに出口を探し歩く。
一緒に歩き回るうちに、アーサーは、ここへ来た理由を話し始めます。

アーサーと妻ジョーン(ナオミ・ワッツ)との結婚生活は、うまくいっていなかった。

The_sea_of_trees_4

原因は、アーサーが職場の同僚と浮気した事。
そのせいで妻の酒量が増え、アル中に。そして妻は事あるごとに、アーサーを責めた。
アーサーは転職したが、収入は低く、家計は不動産取引業をしている妻の収入に頼っていた。
そんな夫婦関係が、妻の病気によって変化。
ジョーンに起きた事は、ちょっと予想を裏切る展開になっていたのも良かったわ。
辛いですけどね。

タクミは、樹海は君らでいう「煉獄」だと言います。
霊が彷徨っている場所なんだと。
そして天に召されると、そこには白い花が咲くと。

タクミの妻子は、なんでそんな名前?と思いましたが、いいオチでした。
様々な伏線がありましたよ。

「レヴェナント」と共通する部分があるなあと思いました。
この映画もサバイバルしてます。
そして大事な人は、亡くなっても一緒にいるよ、そばで見守っているよって。

アーサーが樹海を見渡す場面がありますが、最初と最後では彼の気持ちが違い、空気が違って感じられます。

死のうとしたアーサーが、人生を振り返り、見つめ直していく過程を見守ってください。

見終わって、一緒に心が清められたような感じでした。

(鑑賞日4月26日)

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コメント

樹海でのロケは、全部日本ではないんですね。看板とかはリアルでした。
ものが強い作品でしたが、アーサーの心情が理解できる淡く、そして人生の再生譚でしたね。
花に転生するくだりが美しかった。
TBこちらからもお願いします。

★atts1964さん
悲しい話だけど、
見終わると明るい光と心の平穏が感じられて、
良かったです。

今年はサバイバル映画が不思議と多いですよね。
妻や子の名前もそうですが、タクミもどちらかというとマイノリティですよね(笑)
ラスト、すべてが解決されホント気持ちよかったです。

★itukaさん
最近、斎藤工くんがブレイクしているので、
タクミはトレンディーかも(笑)
ちゃんと伏線が生かされていて解決していましたね。

TBありがとうございます。
有料の試写会というのがあるんですね。初めて知りました。
散りばめられた伏線が回収されるのが気持ち良かったですね。
ジョーンの事は、びっくりでした。
そういえば、渡辺謙は『インセプション』の試写会のサプライズゲストで見たことがあります。
いっぱい喋ってくれるいい人のイメージでした。

★すぷーきーさん
スターの舞台挨拶などがある場合、
時々有料の試写会がありますよ。
「リリーのすべて」もそうでしたよ。
私が行ったのでは「フューリー」がそうでした。

>渡辺謙は『インセプション』の試写会のサプライズゲストで見たことがあります。

私もその時に謙さんを見ましたよ。
今回もいっぱいしゃぺってくれましたよ。

またよくある変な描写(名前)だな、
と思ってんですが・・・
すぐには理解できず、、、(汗
その場でわかったら感動しますね(苦笑

まぁ~映画ネタとして外人の方が、よくも青木ヶ原の樹海を見つけたな!
って驚きでした。

★えふさん
今はネットで様々な情報が簡単に得られますからね。
自殺の名所になっている場所が広い樹海というのが、
外人には不思議だったのでしょうか。

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