疑惑のチャンピオン (試写会)
ストップ ドーピング
公式サイト http://movie-champion.com
7月2日公開
原案: Seven Deadly Sins: My Pursuit of Lance Armstrong (デイヴィッド・ウォルシュ著)
監督: スティーヴン・フリアーズ 「クィーン」 「あなたを抱きしめる日まで」
1993年にサイクルロードレースの最高峰〈ツール・ド・フランス〉にデビューした若きアメリカ人、ランス・アームストロング(ベン・フォスター)は、勝利への飽くなき野心に満ちあふれていた。しかしスイスの薬局で血液中の赤血球を増加させる薬を購入し、レースで優勝した直後、激しく咳き込んで吐血する。診断の結果、重度の精巣ガンで、脳にも転移していた。過酷な大手術とリハビリを経て快復したアームストロングは、競技生活に復帰しチャンピオンに返り咲くため、スポーツ医学の権威であるイタリア人医師ミケーレ・フェラーリ(ギヨーム・カネ)の指導を仰ぐ。フェラーリは、サイクリストのパフォーマンスを向上させる独自のプログラムの実践者だった。
こうして再出発の態勢を整えたアームストロングは、1999年の第86回〈ツール・ド・フランス〉に乗り込み、驚異的な快走を披露して見事に優勝を果たすが、スポーツ・ジャーナリストのデイヴィッド・ウォルシュ(クリス・オダウド)は疑念を抱く。上り坂が苦手だったアームストロングが、短期間のうちにこれほど飛躍的にスピードが上昇するようになったのは、絶対におかしいと。その後もアームストロングは無敵の快進撃を続け、2005年の〈ツール・ド・フランス〉で7連覇を達成。しかし、その偉業と共に巧妙な手口でドーピング検査をすり抜けながら、ウォルシュからの追及を躱し続ける闘いも繰り広げられていた。
実話の映画化ですが、ランス・アームストロングやツール・ド・フランスについて、何の知識もありませんでした。
彼のドーピングは、なぜ、ずっとバレなかったのか。
本作でそれがわかります。
検査をクリアするための巧妙な手口だけでなく、彼のドーピングをわかっていながら隠蔽した組織。
アームストロングの商品価値が高かったからなんですね。
ツール・ド・フランスだって、お金がなければ開催できないでしょ。
レースに注目される選手がいれば、収益も増える。
癌から奇跡的に復活し、外見もよく、慈善事業もしているアームストロング。
元チームメイトのフロイド・ランディスの証言がなければ、ドーピングが公になる事はなかったかも。
そもそも、ドーピングをしていたのは彼だけではないと思うの。
そしてドーピングしたからと言って、誰でもトップになれるわけではない。
ドーピングが悪い事だという意識が、組織にも選手にもなかったんじゃないの?
優勝すれば、確かに大金が入る。
賞金だけでなく、企業とのスポンサー契約もあるし、ランスは豪勢な生活をしていたらしい。
でもアームストロングが優勝に固執したのは、わたしはお金だけではなかったと思うの。
かなりの野心家なのは確かかもしれないけれど。
25歳で生きるか死ぬかの大手術を受け、手術後も生きるか死ぬかは運次第だった彼。
25歳で死を身近に感じた。
生きているだけで、本当に奇跡だった。
再発とかの不安もあったと思うの。
何かに専念していないと、病気の事を考えてしまったのではないかしら。
自分の病気に意識が行かないよう、自転車に精力を傾けていたのかも。
癌患者を支援する慈善事業もしているけれど、それも、自分は完全に癌を克服したと自分に言い聞かせていたのでは。
そんな風に考えたりもしました。
本人の心のうちは本人しかわかりませんが、壮絶な癌治療と手術とリハビリは、彼の心や考え方に大きく影響したと思います。
それにしても、ロシアの陸上選手はリオ五輪に出場できないし、プロでもアマでもドーピングは無くなりませんねえ。
平地はいいけど、山には弱かったアームストロング。
癌からの復活後に結成したチームには、全員にドーピングを強要。
アームストロングにドーピングの疑いを持ったデイヴィッド・ウォルシュ。
なんとか証拠をつかもうとします。
度重なるドーピング疑惑に、自分は潔白だと主張するアームストロング。
チームのエージェント、ビル・ステイプルトンにリー・ペイス
チームの監督ヨハン・ブリュイネールにドゥニ・メノーシェ
保険会社の人間に、ダスティン・ホフマン
(鑑賞日6月21日)
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» 『疑惑のチャンピオン』 2016年6月16日 一ツ橋ホール [気ままな映画生活 -適当なコメントですが、よければどうぞ!-]
『疑惑のチャンピオン』 を試写会で鑑賞しました。
この話は知らなったよ...相変わらずの無知っぷりw
【ストーリー】
20代にガンを患いながらも克服した自転車ロードレース選手ランス・アームストロング(ベン・フォスター)は、1999年から2005年に「ツール・ド・フランス」7連覇を達成する。ガン患者を支援する社会活動にも奔走し、世界中から尊敬される英雄だった。一方、記録のために手段を選ばない勝利への執着はすさまじく、ある記者が彼にまとわりつく薬物使用疑惑をリサーチしており……。
こんな大きい... [続きを読む]
» 疑惑のチャンピオン ★★★★ [パピとママ映画のblog]
ガンから奇跡の復活を果たし、自転車レースの最高峰“ツール・ド・フランス”で前人未踏の7連覇という偉業を成し遂げ、自転車界のみならずスポーツ界のスーパースターに登り詰めたアメリカ人アスリート、ランス・アームストロング。長年、疑惑の目を向けられながらも、決して尻尾を掴まれることのなかった彼だったが、現役引退後の2012年、ついに米国アンチ・ドーピング機関“USADA”によって進められた調査によってドーピング違反が認定され、7連覇を含む全タイトルを剥奪された。
主演は「ローン・サバイバー」「3時10分、決... [続きを読む]
» 疑惑のチャンピオン。 [すぷのたわごと。]
『疑惑のチャンピオン』を観に行ってきました。
実話がもとになっているらしい。
もちろん「ツール・ド・フランス」に興味は無い。
胡散臭い役をやらせたらうまいと勝手に思っている、ベン・フォスター目当て。
原題は『 THE PROGRAM 』で、普通なら“計画”とか“予定”だよね。
何度かセリフで「ドーピング・プログラム」と言ってたので、そのプログラムかな?
自転車ロードレースにデビューした、ランス・アームストロング(ベン・フォスター)。 ..... [続きを読む]
» 「疑惑のチャンピオン」 [ここなつ映画レビュー]
ツールドフランス前人未到の7連覇を達成したアメリカ人ランス・アームストロングの黒く汚れた栄光についての物語。彼は類い稀な才能と克己心をもってレースに挑んだが、その裏では薬物の力を借りた組織ぐるみのドーピングが行われていたのだ。このことが白日のもとに晒されて以降、彼は7連覇のチャンピオンの資格を剥奪され、今日、このような作品が作られることとなった。ランス役を演じるのは「マット・デイモンでもジェイク・ギレンホールでもなく」、ベン・フォスターである。そういった意味では熱演のベン・フォスターには賛辞を贈りた... [続きを読む]
同感ですね。ランスの薬物使用は確かに褒められませんし、この競技のダークな部分は、呆れるばかりですが、彼個人は、癌との戦いを通して、何かどんなことをしても勝って、癌との戦いを続けたかったのかもしれませんね。
あの少年とのシーンは、彼の醜さではなく、清らかさを感じましたから。
こちらからもTBお願いします。
投稿: atts1964 | 2016年7月 6日 (水) 08:42
★atts1964さん
ドーピングに関しては、個人にも組織にもあきれましたね。
ランスは癌にならなければ、
違う行動をとっていたのかどうかわかりませんけどね。
投稿: 風子 | 2016年7月 6日 (水) 10:51
TBありがとうございます。
同じく、ランス・アームストロングやツール・ド・フランスについて、なんの知識もなく観ました。
いっぱい同じこと考えました。
>そもそも、ドーピングをしていたのは彼だけではないと思うの。
アームストロングのチーム以外もドーピングしていて、選手に罪悪感は無く、組織は見て見ぬふりでしたね。
>そしてドーピングしたからと言って、誰でもトップになれるわけではない。
ドーピングだけで結果が出せるものなのか、それなりに努力もしてたんじゃないかと思うんですが、努力の描写は一切なかったですね。
アームストロングは、勝利への中毒にも見えました。
だから引退した後ももう一度勝利を味わいたくて、カムバックしたのかな~っと思いました。
投稿: すぷーきー | 2016年7月 9日 (土) 19:19
★すぷーきーさん
せっかくの才能や努力も、
ドーピングで全く無になってしまうのに、
やめられないんでしょうかね。
勝利の快感も、中毒になるのかもしれません。
投稿: 風子 | 2016年7月10日 (日) 11:22
こんにちは。
おっしゃるように、やはり癌からの生還が拍車をかけたのでしょうね。
ただ、ランス・アームストロングだけではなく、ランスにくっついている(っていう言い方は悪いですが)チーム監督やエージェントや、その他諸々も利権を得たくてたまらなかったのでしょうから、もはやランス個人の過ちにはならないのだと思いました。
投稿: ここなつ | 2016年8月 4日 (木) 10:19
★ここなつさん
責任を問われるべきは、ランス一人だけではではありませんよね。
投稿: 風子 | 2016年8月 4日 (木) 11:53