みかんの丘 (試写会)
同じ人間なのに
公式サイト http://www.mikan-toumorokoshi.info
9月17日公開
2015年米アカデミー賞外国語映画賞ノミネート作品
ジョージア(グルジア)のアブハジア自治共和国で、みかん栽培をするエストニア人の集落。ジョージアとアブハジア間に紛争が勃発し、ほとんどのエストニア人は帰国したが、イヴォ(レンビット・ウルフサック)とマルゴス(エルモ・ヌガネン)は残って収穫に精を出していた。ある日、彼らは戦闘で傷ついた二人の兵士を自宅で介抱することになる。ひとりはアブハジアを支援する、チェチェン兵アハメド(ギオルギ・ナカシゼ)。もうひとりは、ジョージア兵のニカ(ミヘイル・メスヒ)。彼らは互いに同じ家に敵兵がいることを知って殺意に燃えるが、イヴォが“私の家で殺し合いはざせない”というと、家主が力を持つコーカサスのしきたりに則り、イヴォに従った。
戦争の不条理の中、人間らしく生きようとする人。
戦争は家族に悲しみしかもたらさないのに、いつになったらなくなるのでしょうか。
人間がいる限り、なくならないのでしょうかね。
見ていて、「戦場のアリア」や「ノー・マンズ・ランド」を思い出しました。
マルゴスはミカン(映画ではマンダリンと言っていました)の収穫をしていて、イヴォは収穫したミカンを入れる木箱を作っています。
収穫の人出が足りず、知り合いの将校に兵士を20~30人よこしてもらうことになっていた。
そんな中、近くで戦闘があり、負傷したアブハジア側の兵士を自宅に運びました。
死んだ兵士を森で埋葬しようとしたら、その中にまだ息がある者がいた。それがジョージア兵。瀕死のその兵士も自宅へ運び、医者を呼んだ。もちろん、口の堅い医者を。
家にジョージア兵がいるのがばれたら、大変なことになるというか、イヴォやマルゴスも殺されてしまう。
それでも、家で介護をするんです。
イヴォの家にいる負傷した兵士二人は、別々の部屋のベッドにいますが、敵意をむき出しにします。
しかし、少~しずつ二人の感情も変化します。
兵士2人のケガも、だいぶ回復してきた頃、アブハジアの小隊がやってきて悲劇が...
涙なくしては見られない。
マルゴスがエストニアに帰国しない理由、ミカンの収穫。
お金のためではないのです。
せっかく実ったミカンを、 無駄にしたくないからなの。
イヴォは帰国しない理由を語らない。
ラストでも明言されるわけではないけれど、「息子は自分たちの土地を守りたいと入隊して死んだ。その息子の意思と死を無駄にしたくないためなのでしょうか。」
人としての心を失わないイヴォが、とても気高く感じました。
(鑑賞日9月15日)
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