リトル・ボーイ 小さなボクと戦争
信念は山をも動かす
公式サイト http://littleboy-movie.jp
第二次世界大戦下、カリフォルニア州の小さな漁村。
8歳の少年ペッパー・バズビー(ジェイコブ・サルヴァッティ)は町の誰よりも背が低く“リトル・ボーイ”とからかわれていた。数少ない楽しみは、唯一の“相棒”である父親と空想に浸りながら冒険遊びをすることと、父親の好きな奇術師ベン・イーグル(ベン・チャプリン)のマジックを一緒に見ること。ある日、兄のロンドンが偏平足を理由に徴兵検査に引っかかり、代わりに父親が戦場へと駆り出されてしまう。心の支えである父親の不在に絶望するペッパーだったが、何とかして戦場から呼び戻そうと、ペッパーの“父親奪還大作戦”が始まった!
広島に投下された原子爆弾が“LITTLE BOY”と呼ばれていたことを知ったメキシコ出身のモンテヴェルデ監督と脚本家のポーティーロが、父子の愛を軸に、少年の視点で戦争と平和を切り取った本作。
ペッパーが住むのは架空の町だし、ちょっとファンタジックでもありましたが、少年の成長も描かれていました。
ハンカチを持って見に行きましょう。
監督の兄弟が過去に日本に住んでいたことがあり、監督自身も数ヶ月間滞在していた事があるらしい。
メキシコ人監督だから、アメリカと日本のバランスを監督なりに客観的にとっていると思います。
チビなのを理由に、みんなにいじめられて友達のいないペッパーは、父と一緒に過ごすのが大好き。
その父が戦争に行ってしまった。
そして、フィリピンで捕虜になっているらしいとの連絡があった。
町には、強制収容所から解放された日系移民のハシモト(ケイリー=ヒロユキ・タガワ)がいますが、敵国人として差別されています。
町には息子が戦死した人もいるので、憎しみの対象にもなっています。
ハシモトと親交があるのは、司祭だけ。
ペッパーも他の人たちと同様に、ハシモトをジャップと呼んで敵意をむき出しにして、家に石を投げて窓ガラスを割ってしまいます。
そんなペッパーを見かねた教会のオリバー司祭(トム・ウィルキンソン)は、すべてを達成できたら願いが叶うと、キリスト教に古くから伝わるリストを、ペッパーに渡します。司祭はリストに、「ハシモトに親切に」という項目も加えます。
父に早く戻ってほしいペッパーは、渋々ハシモトに謝りに行き、友達になろうとします。
始めのうちはペッパーを厄介だと思っていたハシモトですが、ペッパーがリストの項目をこなしていくのを、手助けするようになります。
ハシモトがペッパーを勇気づけようとして語る昔話に、日本人俳優の尾崎英二郎さんが、マサオ・クメという役で出演しています。
ハシモトと親しくするペッパーは、今度は日本人びいきと言われ、いじめられます。
ペッパーのハシモトに対する気持ちの変化が、うまく描かれていました。
何としても父に家に帰ってほしいと、毎日念を送るペッパー。
ペッパーの、父やハシモトを思う気持ちに泣かされました。
そしてこの町だけでなく、どこの町でもあったであろう出来事に考えさせられました。
戦争で幸せになる家族などいないのに、地球ではいつもどこかで戦争よねえ。
ペッパーの母親役は、エミリー・ワトソンでした。
(鑑賞日9月1日)
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