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2016年12月12日 (月)

こころに剣士を (試写会)

そして先生になった

The_fencer

公式サイト http://kokoronikenshi.jp
12月24日公開

実話を基にした映画

監督: クラウス・ハロ  「ヤコブへの手紙

1950年初頭のエストニア。ソ連の秘密警察に追われる元フェンシング選手エンデル(マルト・アヴァンディ)は、田舎町ハープサルで小学校の教師として身を隠し、課外授業でフェンシングを教える事になる。実は子供が苦手なエンデルがだったが、圧政下で生きる子供たちの情熱が、彼を変えていく。

先生に関する実話を基にした映画は、たいてい感動作。
感動的な話だからこそ、映画化される。
ハラハラドキドキと引き込まれる場面もあって、映画として飽きずに見られました。

エストニアは、第二次大戦中に、ソ連に占領されたりドイツに占領されたりしていた。
主人公はドイツ占領下で徴兵され、ドイツ兵であった。
大戦後のエストニアはソ連の支配下となり、ドイツ兵だった者たちは、秘密警察に追われた。
戦争の悲劇のひとつですねえ。

都会の大学を卒業しているのに、田舎の学校の教師にとやってきたエンデルを、校長は怪しみます。
そしてやっかみもあって、エンデルに対して嫌がらせをします。
課外授業にスキーを考え、エンデルは倉庫の古い用具を手間をかけて修理したのに、校長は用具を、勝手に軍に寄贈してしまいます。
思案に暮れるエンデルは、マルタ(リーサ・コッペル)という生徒がきっかけでフェンシングを課外授業にします。
すると彼の予想に反し、多くの生徒が課外授業に集まりました。
娯楽の少ない田舎だし、生徒たちは苦しい生活を忘れて夢中になれる事が必要だったんですね。

ちゃんとした用具はないので、エンデルは木の枝で剣を作ります。

The_fencer_2

エンデルにとって教師はただの隠れ蓑だし、実は子供が苦手。
最初は、そんな教え方では子供はついてこないわよと思う指導ぶり。
でも子供たちの生活の実態などを知り、徐々にエンデルの気持ちも指導も変化していきます。

父兄会があって、ほとんどが年寄りなのに驚いたけど、生徒たちは、ソ連の圧政下で親を奪われていたんですね。
エンデルの話だけでなく、生徒たちの置かれている状況や、生徒たちが頑張る姿も胸に迫りました。
ヤーン(ヨーナス・コッフ)の祖父は、「みかんの丘」の主演だったレムビット・ウルフサク

ほとんどの生徒の家には父親がいないので、エンデルは生徒たちにとって父親のような存在でもあるのです。

生徒たちはレニングラードで全国大会があるのを知り、出場したいと言いますが、レニングラードに行けば、逮捕だけでなく命の危険もあるエンデルは、生徒たちの実力では無理だと言います。

しかし考え抜いた末に、出場を決めます。

The_fencer_4

エンデルは、生徒たちのために逃亡を続ける生活をやめる決意をします。
命の危険もある事ですから、この決断の意味は大きいです。

The_fencer_3

エンデルは、エストニア独立後の1993年に亡くなったそうです。

(鑑賞日12月8日)

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コメント

良い作品でしたね。エストニアが舞台の作品は初めて見ましたが、辛い歴史をたどった国家でしたね。
でも国の希望は子供たちですね。あんな子供たちがしっかりいる国家は、良い国になっていくだろうなと感じさせたラストシーンでした。
こちらからもできましたらTBお願いします。

こんにちは。
小さいながらも心温まるすてきな作品でした。
その気になれば、いくらでも逃げ出すチャンスはあったと思いますが
エンデルにとっても子どもたちの存在が
かけがえのないものになっていたのでしょうね。
無事に帰ってくることができてほんとうによかったです。

ところでこのたびブログの引越しをいたしました。
http://blog.goo.ne.jp/serendpt3
今後ともどうぞよろしくお願いします☆

★atts1964さん
歴史に翻弄されながらも、強く生きてよい国になるといいですね。


★セリンディピティさん
心に響く作品でした。

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