« ミューズ・アカデミー | トップページ | ザ・コンサルタント (試写会) »

2017年1月20日 (金)

アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場

現場と会議室

Eye_in_the_sky

公式サイト http://eyesky.jp

監督: ギャヴィン・フッド  「ツォツィ」 「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」 「エンダーのゲーム

イギリス、ロンドンで軍の諜報機関の将校キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、国防相のフランク・ベンソン中将(アラン・リックマン)と協力して、アメリカ軍の最新鋭のドローン偵察機を使い、英米合同テロリスト捕獲作戦を指揮している。
ケニア・ナイロビ上空の米国軍の偵察用ドローンが、隠れ家に潜んでいるアル・シャバブの凶悪なテロリストたちをつきとめる。その映像が、イギリス、アメリカ、ケニアの司令官たちがいる会議室のスクリーンに映しだされるが、彼らが大規模な自爆テロを決行しようとしていることが発覚し、パウエル大佐は即座にドローンのミサイル攻撃によるテロリスト殺害作戦の決行を決断する。
アメリカ、ネバダ州の米軍基地では、新人のドローン・パイロットのスティーブ・ワッツ(アーロン・ポール)が、パウエル大佐からの指令を受け、ミサイルの発射準備に入る。だがその時、殺傷圏内で少女がパンを売り始めた。

とても緊迫感が感じられる映画だった。
1人の少女の命と、自爆テロの阻止とどちらを取るのか。
どっちにしても、辛い決断ですよねえ。

昔の戦争は前線があり、兵士同士が直接対決していた。
敵を殺さないと自分が殺される。

現代は、テロでどこが戦場となるかわからない。
そして戦地にいなくても、敵を攻撃できる。
自分の命が危険にさらされていないだけに、罪もない民間人が犠牲なるという精神的負担は、とても重くのしかかる。それがドローンのミサイルを操作する2人。

Eye_in_the_sky_2

アメリカは、少女1人の命より大勢の犠牲者が出る自爆テロの回避が優先と決まっている。
イギリスの会議室では責任回避で、決定に時間がかかる。

Eye_in_the_sky_4

まず捕獲作戦をミサイル攻撃に変更するかどうか。
パンを売る少女を犠牲にするかどうか。

そう問われたロンドンの会議室の人たちは、いや、首相に許可をもらわないととか、外務大臣に許可をとか、米国務大臣の意見はとか。

Eye_in_the_sky_3

役人と軍人の温度差を感じますねえ。
自爆テロの惨状を直接見ているベンソン中将の言葉は、もっともで重い。

しかし絶対的な正義も絶対的な善悪もない現代の戦争。
難しいですね。

(鑑賞日1月16日)

« ミューズ・アカデミー | トップページ | ザ・コンサルタント (試写会) »

【映画】あ行」カテゴリの記事

コメント

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。

考えさせられる話でした。
何が正しいのか、とても難しくて簡単ではないですね。
TBありがとうございます。

★すぷーきーさん
こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。

人の命を奪うのが戦争。
戦争のない地球になることはあるのでしょうか。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場:

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [★yukarinの映画鑑賞ぷらす日記★]
【EYE IN THE SKY】 2016/12/23公開 イギリス 102分監督:ギャヴィン・フッド出演:ヘレン・ミレン、アーロン・ポール、アラン・リックマン、バーカッド・アブディ、ジェレミー・ノーサム、フィービー・フォックス、イアン・グレン 現代の戦争衝撃の実態 STORY:イギリス...... [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [映画好きパパの鑑賞日記]
 テロリストに対するドローン攻撃を題材としており、どこまでが現実で起きているのか考えさせられます。まさに戦争は会議室で起きているわけで、実際問題、民間人が大量に戦死している状況をみると、なんとも複雑な気持ちになります。  作品情報 2015年イギリス映画 …... [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場。 [すぷのたわごと。]
『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』を観に行ってきました。 ドローンを使った現代の戦争。 娯楽ではなく、考えさせられる話で、もっと上映館を増やした方がいいと思う。 原題は『 EYE IN THE SKY 』で、ドローンが果たす役目。空から監視する目。 イギリス、ロンドン。 キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、イギリス・アメリカ・ケニア合同によるテロリスト捕獲作戦を指揮していた。 ロンドンでフランク・ベンソン中将(アー..... [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ~]
評価:★★★★☆【4.5点】(11) ミサイル発射まで持続させる緊張感がすごい! [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場・・・・・評価額1700円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
それは、ごく簡単な作戦のはずだった。 ナイロビの反政府武装勢力の支配地域に潜伏するテロリスト。 地球上の遠く離れた数カ所から、彼らの拘束作戦を見守る人々がいる。 全体を指揮するイギリス軍の司令部、上空から監視するドローンをコントロールするネバダの米軍基地、現地に展開する地上エージェント、そして作戦の最終的な許認可権を持つ、英国の政治家と官僚たちの会議室。 シンプルな拘束作戦は、タ...... [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [映画と本の『たんぽぽ館』]
一人の少女か、80人の一般人か * * * * * * * * * * 戦地から遠く離れた会議室で、 ドローン映像により繰り広げられる「戦争」を描きます。 以前「ドローン・オブ・ウォー」という作品で、 少し前ならSFとしか思えないドローンによる空爆のストー...... [続きを読む]

» [映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆・・・傑作でした。 私は、このような切れ味良く、「世界」を包括している作品に惹かれる。 超ハイテク化された対テロ戦は、それ故に、一つの作戦行動において、それぞれの担当者が、それぞれ分散した他国に居ながらにしてネットワークで迅速に繋がっている。 だが、...... [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場 [映画三昧、活字中毒]
■ TOHOシネマズ シャンテにて鑑賞アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場/EYE IN THE SKY 2015年/イギリス/102分 監督: ギャヴィン・フッド 出演: ヘレン・ミレン/アーロン・ポール/アラン・リックマン/バーカッド・アブディ/ジェレミー・ノーサム 公式サイト 公開: 2016年12月23日 イギリスのキャサリン・パウエル大佐は、テロリスト集団“アル・シ...... [続きを読む]

» アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場★★★★ [パピとママ映画のblog]
ドローンをはじめ最新テクノロジーでテロリストの偵察、捕縛を目指す英米共同軍事作戦会議を舞台に、遠隔操作で行われる現代の戦争の実態を赤裸々に描き出した緊迫の軍事サスペンス。主演は「クィーン」「黄金のアデーレ 名画の帰還」のヘレン・ミレン、共演にアーロン・...... [続きを読む]

» 今の戦争、会議室からドローンから [笑う社会人の生活]
3日のことですが、映画「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」を鑑賞しました。 イギリス軍諜報機関のキャサリン・パウエル大佐はナイロビ上空の偵察用ドローンからの情報を基に戦地からほど遠いロンドンで合同軍事作戦を指揮している。 大規模な自爆テロ計画の情...... [続きを読む]

» 「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」 [或る日の出来事]
ひとりの少女の命か、将来のテロ阻止かに絞ったサスペンスがおもしろい。 [続きを読む]

« ミューズ・アカデミー | トップページ | ザ・コンサルタント (試写会) »

2024年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31
無料ブログはココログ