アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場
現場と会議室
公式サイト http://eyesky.jp
監督: ギャヴィン・フッド 「ツォツィ」 「ウルヴァリン:X-MEN ZERO」 「エンダーのゲーム」
イギリス、ロンドンで軍の諜報機関の将校キャサリン・パウエル大佐(ヘレン・ミレン)は、国防相のフランク・ベンソン中将(アラン・リックマン)と協力して、アメリカ軍の最新鋭のドローン偵察機を使い、英米合同テロリスト捕獲作戦を指揮している。
ケニア・ナイロビ上空の米国軍の偵察用ドローンが、隠れ家に潜んでいるアル・シャバブの凶悪なテロリストたちをつきとめる。その映像が、イギリス、アメリカ、ケニアの司令官たちがいる会議室のスクリーンに映しだされるが、彼らが大規模な自爆テロを決行しようとしていることが発覚し、パウエル大佐は即座にドローンのミサイル攻撃によるテロリスト殺害作戦の決行を決断する。
アメリカ、ネバダ州の米軍基地では、新人のドローン・パイロットのスティーブ・ワッツ(アーロン・ポール)が、パウエル大佐からの指令を受け、ミサイルの発射準備に入る。だがその時、殺傷圏内で少女がパンを売り始めた。
とても緊迫感が感じられる映画だった。
1人の少女の命と、自爆テロの阻止とどちらを取るのか。
どっちにしても、辛い決断ですよねえ。
昔の戦争は前線があり、兵士同士が直接対決していた。
敵を殺さないと自分が殺される。
現代は、テロでどこが戦場となるかわからない。
そして戦地にいなくても、敵を攻撃できる。
自分の命が危険にさらされていないだけに、罪もない民間人が犠牲なるという精神的負担は、とても重くのしかかる。それがドローンのミサイルを操作する2人。
アメリカは、少女1人の命より大勢の犠牲者が出る自爆テロの回避が優先と決まっている。
イギリスの会議室では責任回避で、決定に時間がかかる。
まず捕獲作戦をミサイル攻撃に変更するかどうか。
パンを売る少女を犠牲にするかどうか。
そう問われたロンドンの会議室の人たちは、いや、首相に許可をもらわないととか、外務大臣に許可をとか、米国務大臣の意見はとか。
役人と軍人の温度差を感じますねえ。
自爆テロの惨状を直接見ているベンソン中将の言葉は、もっともで重い。
しかし絶対的な正義も絶対的な善悪もない現代の戦争。
難しいですね。
(鑑賞日1月16日)
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イギリス、ロンドン。
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2015年/イギリス/102分
監督: ギャヴィン・フッド
出演: ヘレン・ミレン/アーロン・ポール/アラン・リックマン/バーカッド・アブディ/ジェレミー・ノーサム
公式サイト
公開: 2016年12月23日
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遅くなりましたが、あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いいたします。
考えさせられる話でした。
何が正しいのか、とても難しくて簡単ではないですね。
TBありがとうございます。
投稿: すぷーきー | 2017年1月20日 (金) 21:31
★すぷーきーさん
こちらこそ、今年もよろしくお願い致します。
人の命を奪うのが戦争。
戦争のない地球になることはあるのでしょうか。
投稿: 風子 | 2017年1月20日 (金) 22:11