ムーンライト
月明りでブルーに
公式サイト http://moonlight-movie.jp
原案は戯曲「In Moonlight Black Boys Look Blue」
マイアミの貧困地域に住む内気な少年シャロン(アレックス・R・ヒバート)は、母ポーラ(ナオミ・ハリス)と暮らしていたが、母は麻薬中毒でほとんど育児放棄状態。学校ではリトルとあだ名され、いつもいじめられていた。シャロンにとって、同級生のケヴィンだけが唯一の友だちだった。そんなある日、いじめられているところをフアン(マハーシャラ・アリ)という男に助けられる。以来、フアンとその恋人テレサに我が子のように目をかけてもらい、初めて人の温もりを感じるシャロン。高校生になっても、相変わらずいじめは続いていた。そんな中、唯一の友ケヴィンに対して友情以上の感情を抱き始めていたシャロン(アシュトン・サンダース)。月明かりが輝く夜、二人は初めてお互いの心に触れることに… しかし、その翌日、学校ではある事件が起きてしまう。
前代未聞の発表ミスのあと、米アカデミー賞作品賞を受賞した本作。
ブラビの製作会社、プランBが担当していて、ブラピも製作総指揮に名を連ねている。
去年の米アカデミー賞は黒人のノミネートが少ないとの抗議があったので、今年は絶対黒人映画だろうなと思っていた私です。
映画の質は高くてよくできていると思うけど、あまり好みではなかったわ。
楽しい映画が好きなので。
主人公を年代に応じて3人の役者が演じている。
顔は似ていないけど、うまく演じていて、内面の統一性を感じられました。
セリフや説明は少なく、主人公の表情や仕草から読み取る映画です。
小学生(?)の頃からいじめられっ子のシャロン。
小柄であだ名は“リトル”
麻薬中毒の母親と二人暮らし。
いじめっ子から逃れてたまたま入った廃墟に来たのが、フアン。
助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリ。
月明りではなく昼間のシーンだったけど、彼の帽子やシャツ、そして瞳が青く見えるシーンがあって驚きました。
父親のいないシャロンにとって、優しく父親のように接してくれる。
しかし彼が麻薬の売人で、シャロンの母親にもヤクを売っていると知るシャロン。
フアンの恋人テレサも、シャロンには安心できる相手。
シャロンの唯一の友人ケヴィン。
こういう内気な子って、怒りをため込みすぎて爆発すると大変なのよね。
怒りは小出しに発散して、ためないようにしないと。
ゲイを公言できない環境はかわいそうだけど、治安のいい日本で育った身では、アメリカの治安の悪い地域で育つ現状を実感して共感する事ができないの。
大変だろうなと推測するだけ。
監督の母親も戯曲の原作者の母親も、重度の麻薬中毒者でHIVに感染していたそうです。
ふたりにとっては、自伝的なのかも。
(鑑賞日4月6日)
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フアンが幼いシャロンを助けてくれる。彼は麻薬のディーラーらしいんだけど、なかなか男気のある人。彼の彼女テレサも彼以上に素晴らしい人!シャロンが慕う気が分かる。
結局青年期に入ったシャロンの面倒も見てくれるんだから、凄いなあなんて。。。。
随分シャロンもこの2人に精神的、肉体的にも支えられたんだ... [続きを読む]
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TBありがとうございます。
アカデミー賞助演男優賞を獲得したマハーシャラ・アリの出番の少なさにびっくりしました。
家にも学校にも居場所が無いのはつらいです。
そんな時、フアンとテレサの存在は救いだったんでしょうね。
投稿: すぷーきー | 2017年4月 8日 (土) 20:12
確かに楽しい作品ではないですよね。ゲイシーンがきつい感じでしたが、主人公:シャロンのドラマにこめられた黒人の生活が、真に迫ってきたお話は私は印象強かったです。
TBありがとうございました。
投稿: atts1964 | 2017年4月 8日 (土) 21:40
★すぷーきーさん
過去にはもっと少ない出演時間でオスカーを取った人もいますから。
心休まる場所がないのは、つらいですよね。
★atts1964さん
映画の良し悪しと、私的な好みは別なんですよねえ。
治安のよい日本に生まれてよかったなあと、つくづく思います。
投稿: 風子 | 2017年4月 8日 (土) 22:39