メッセージ
異文化交流における選択
公式サイト http://www.message-movie.jp
原作: あなたの人生の物語 (テッド・チャン著/ハヤカワ文庫)
監督: ドゥニ・ヴィルヌーヴ 「灼熱の魂」 「プリズナーズ」 「複製された男」
ある日、宇宙から飛来した巨大な楕円形の飛行体が地球の12ヵ所に突如姿を現わし、そのまま上空に静止し続ける。その目的が判然とせず、世界中に動揺と不安が広がる。謎の知的生命体と意思の疎通をはかるために軍に雇われた言語学者のルイーズ(エイミー・アダムス)は、同じく軍に雇われた物理学者のイアン(ジェレミー・レナー)と共に、“彼ら”の目的を探っていく。
もし地球外からなにかやって来たらどうするか。
地球に来た目的を知りたいのは当然。
非友好的な目的なら、地球に来たというだけで、こちらより遥かに高い科学技術があるのだから、抵抗しても無駄だと思いますね。
友好的な場合はどうするか。
どうやって、未知の相手とコミュニケーションを取るのか。
とても難しい問題です。
地球外の相手でなくても、知らないものは怖い。
恐怖から相手を攻撃するのはよくある事。
現在の世界情勢も、どうしたら平和になるのでしょうかねえ。
本作は、未知の相手とどうやって意思疎通をとるのかという問題。
各国で情報共有をするけれど、次第にそれぞれの対応が異なっていく。
誤解があっては大変ですから、言語学者のルイーズは、宇宙人の意思をなんとか正確に読み取ろうとします。
原作は未読ですが、なぜ「あなたの人生の物語」って題なんだろうと思っていたのですが、ラストでわかりました。
異星人との意思疎通の話だけではなかったのね。
ただの宇宙人のSF物ではなかった。
“時間”にも意味があった。
やって来た宇宙人の“時間”の概念は、地球人と違う。
冒頭でルイーズは、娘を病気で失っているの。
父親が出てこないのだけれど、途中で、離婚したのがわかる。
ルイーズは時々夢を見るのだけれど、それがみそだったのね。
わたしには、彼女のような選択をする勇気と強さはないわ。
違う選択をしたら、もっと悲しい事や辛い事があるかもしれないけれど、未来は分からないから生きていけると思うの。
ラストのルイーズの思いが胸に迫りました。
(鑑賞日5月22日)
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ほぼ平行して直ちに事件が発生、鑑賞者もその危機的状態に叩き込まれる!
この手腕、なかなかに流石。
それもそのはず!
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↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。(1976年)
原題:『ARRIVAL』 あるいは 『あなたの人生の物語』
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難しいテーマと、お話でしたが、これは秀作でした。原作がそうなんでしょうが、映画自体も誠実で、地球とは違う世界の文明とどうやってコンタクトを取るのか?
安易な展開にしていないところがまたよかった。
いつもTBありがとうございます。
投稿: atts1964 | 2017年5月27日 (土) 22:10
TBありがとうございます。
怯えた軍人が攻撃しようとするのが怖かったです。
理解できないから敵、という考えは現実でもありますね。
未来が分かってしまうというのも、しんどいですよね。
投稿: すぷーきー | 2017年5月28日 (日) 20:28
★atts1964さん
ラストの展開には驚きました。
心に沁みるラストでもありました。
★すぷーきーさん
異文化とどう接して対応していくかは、
難しいい問題ですね。
未来がわかるのも辛いですが、
今も未来も同時に存在するのだと思えると、
少しは違うでしょうか。
投稿: 風子 | 2017年5月28日 (日) 23:05