KUBO／クボ 二本の弦の秘密 (吹き替え版)

愛された思い出

公式サイト　http://gaga.ne.jp/kubo

大の日本マニアだというライカのＣＥＯ、トラヴィス・ナイトの長編デビュー作

母と２人で追手の目を逃れてひっそりと暮らしている少年クボ。三味線の音色で折り紙を自在に操る不思議な力で大道芸を披露し、病気がちな母に代わってわずかなお金を稼ぐ日々。そんなある日、クボは刺客に見つかってしまったが、間一髪のところを母が身を挺して彼を逃す。一人になってしまったクボだったが、そんな彼の前に厳しいけれど面倒見のいいサルと陽気な弓の名手のクワガタが現われて仲間となり、母が最後に言い残した「３つの武具」を探す旅に出る。

有名ハリウッド俳優たちが声を担当しているので、字幕版で見たかったけど、都合により吹き替え版を鑑賞しました。

ストップモーションアニメとは思えない映像でした。
本編終了後にメイキング映像もちょっとあって、あんなふうに製作していたのだと驚きました。

アメリカ人スタッフの視点による、日本文化の解釈をベースにして描かれている、ファンタジー。
日本の浮世絵や侍文化は外国でも知られていると思うけど、盆踊りと炭坑節が出て来た外国映画は初めてみました。
灯篭流しや死生観も描かれています。

三味線で折り紙を操るというのは、面白い発想ですね。
折り紙が動く様子も見事で、ストップモーションアニメとは思えませんでした。

クボの片目は、祖父である月の帝に奪われたという。そして祖父はもう片方の目も狙っているので、夜の外出は祖父に見つかってしまうので、決してしないようにと母に言われています。

大道芸で生活費を得ているクボ。

母から聞いた話を大道芸でしているけれど、母の記憶ははっきりせず、なかなか物語の結末がわからない。

ある日、死んだ父と話ができるかもしれないと墓地にいると、うっかり夜になってしまい、双子の刺客に見つかってしまいます。
なんとその刺客は、母の妹。

そして母がしていた侍ハンゾウの話は、なんと父の事だった。
クボは伝説の三つの武具、折れない刀、鎧、兜を探しに行きます。

この旅でクボは、両親や出生の秘密を知ります。

三つの武具を手に入れて月の帝と対決する事になるのですが、戦うのに必要なのは、武具ではなかった。

村人たちもいい人たちだったなあ。
世界を救うのは、やっぱり愛なのです。

愛情や思いやりの心が平和をもたらす。
こんな展開と結末の物語とは、予想外でした。

永遠ではなく、限りある命を受け継いでいく。
語り継がれる物語は、永遠となる。

(鑑賞日１月１５日)