最後の決闘裁判
西洋版羅生門
真相は神のみぞ知る
公式サイト https://www.20thcenturystudios.jp/movies/kettosaiban
史実に基づく話。
原作: 最後の決闘裁判 (エリック・ジェイガー著/ハヤカワ文庫)
監督: リドリー・スコット
脚本: ニコール・ホロフセナー、ベン・アフレック、マット・デイモン
1386年フランス。騎士カルージュ(マット・デイモン)の妻マルグリット(ジョディ・カマー)が、夫の旧友で従騎士のル・グリ(アダム・ドライバー)に乱暴されたと訴える。しかし目撃者もなく、無実を訴えるル・グリと、重罰を望むカルージュの主張はいつまでも平行線のまま。そこで判定は、神が正義の者を勝利に導くと信じられていた、互いの生死を懸けた決闘裁判に委ねられることに。
レイプは、現代でも証明が難しい犯罪。
14世紀のことゆえ、当然資料は男性側の物だけ。
女性は男性の所有物。
女性の権利など、何もない。
映画は、夫カルージュ、被告のル・グリ、妻マルグリットの視点から、順に語られる。
同じ出来事も、立場によって、また、見る人によって違った解釈があったりするもの。
これは時代にかかわらず、同じですねえ。
カルージュは、戦友でもあるル・グリが、国王のいとこのピエール伯(ベン・アフレック)に気に入られ、重用されていくことが気に入らない。
自分が受け継ぐべき地位や土地も取られ、金銭的には困窮。
教養はなく、武骨なようですね。
ル・グリは家柄もなく、妻子もいない。
女遊びは有名。
ピエール伯に、語学や数字に強いところを見込まれ、重用される。
マルグリットは、持参金と跡継ぎを生むことだけを望む夫と生活しなければならない。
兵士である夫は不在も多く、姑は跡継ぎに恵まれない彼女に冷たい。
事件は、姑が召使を皆連れて外出し、屋敷にマルグリットしかいない時におきた。
裁判に訴えても、正攻法ではピエール伯に気に入られているル・グリには勝てないと、カルージュはまず、世間に話を広めます。そしてピエール伯より先に、国王に訴えます。
そこから決闘裁判で決着をつけるように、持っていくのです。
真相は誰にもわかりませんが、何が真実かより、権力や武力を持つものが「正義」の時代。
女性は黙って待つか、黙って耐えるしかない時代。
あんな時代に生まれなくてよかったなと思います。
決闘のアクションシーンは、さすがリドリー・スコット監督。
重厚感と迫力がありました。
(鑑賞日10月22日)
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レイプの実証は昔から難しいですよね。
ワタシはそれよりも満員電車のとき、真っ先に思うのが
痴漢の冤罪にならないよう両手の位置に気を付けてます。
投稿: ituka | 2021年11月 3日 (水) 21:04
★itukaさん
>ワタシはそれよりも満員電車のとき、真っ先に思うのが
>痴漢の冤罪にならないよう両手の位置に気を付けてます。
痴漢のせいで、善良な男女は苦労しますよねえ。
投稿: 風子 | 2021年11月 3日 (水) 21:10