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2023年10月28日 (土)

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン

金の亡者たち

Killers-of-the-flower-moon

公式サイト https://kotfm-movie.jp

実話を基にした映画

原作:花殺し月の殺人──インディアン連続怪死事件とFBIの誕生 (デイヴィッド・グラン著/早川書房)
監督:マーティン・スコセッシ

地元の有力者である叔父のウィリアム・ヘイル(ロバート・デ・ニーロ)を頼って、オクラホマへと移り住んだアーネスト・バークハート(レオナルド・ディカプリオ)。その土地には政府によって強制的に移住させられた先住民族のオセージ族が暮らしていたが、石油が出たために、先住民族でありながら多くが資産家となっていた。やがてアーネストは、そんなオセージ族の女性モリー・カイル(リリー・グラッドストーン)と恋に落ち結婚する。ところが、彼らの周囲で不可解な連続殺人事件が起き始めるが、きちんとした捜査はされないまま。町が混乱と暴力に包まれる中、ワシントンD.C.から派遣された特別捜査官のトム・ホワイト(ジェシー・プレモンス)が、捜査にやってくる。

「マイ・ルーム」以来の、デ・ニーロとレオの共演作。

原作では、アーネストの登場シーンは少なく、後半はFBIの捜査がメインなのだとか。
なので、レオがプロデューサーから最初にオファーされたのも、捜査官のトム役だとか。
それを、アーネストとモリーにぐっとフォーカスしている。
先住民のオセージ族に起きた事実を伝えるのを、重点にしたからでしょう。

スコセッシ監督らしく、重厚ではあるけど、一般受けする娯楽作ではありません。
デ・ニーロ、レオ、グレッグストーンの3人の演技が見どころ。

特にモリーが、姉妹の死や夫やデ・ニーロが演じるヘイルをどう思っているのか、口数が少ないだけに、観客は表情から推測するしかないのだけれど、その様子が素晴らしい。

デ・ニーロの、表では裕福な牧場主でオセージ族の味方のいい人と、裏の差別主義で冷酷で残忍な様子も徹底している。
レオが演じる、家族愛と金銭欲の間で揺れる、浅はかなクズぶりも、さすが。

人種差別が、まだまだ激しい時代。
黒人や先住民が殺されたって、真剣には捜査されない。
加害者も、家畜同然と思っている人間を殺したって、罪悪感はなかったのでしょうね。

後日談を、文字でなく、スコセッシ監督がラジオドラマ風にしているのが、面白かったわ。

(鑑賞日10月20日)

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コメント

スコセッシ監督の社会派ドラマは真面目に描くため娯楽性は少なそうです。
一般受けしないのもそういうところからでしょうね。
ワタシ、FBI特別捜査官が出てきた辺りから俄然面白くなったので
そこもうちょっとドラマに盛り込んでほしかったかな~。

★itukaさん
原作はFBIの捜査の様子が結構あるそうですが、
映画では犯人が観客にわかっていますからね。
そういうサスペンス色はなかったですね。

原作は事件を追うルポルタージュもの。
映画は人間ドラマ。視点ははっきり違いますが、さすがスコセッシ一流の作品に仕上がっていました。
この長さを全く飽きさせないのはやはり大したものです。

★ノラネコさん
原作は視点が違うのですね。
映画はスコセッシらしい人間ドラマでした。

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